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8月25日(水)に発売となる
Blu-ray&DVD「ワンダーエッグ・プライオリティ 3」
【完全生産限定版】特典
「特製ブックレットVOL.3」に収録の
監督・若林 信インタビュー、
キャラクターデザイン/総作画監督・高橋沙妃インタビューから
一部抜粋&ブックレット未収録のこぼれ話を公開!
監督・若林 信インタビュー
- ――
- 若林監督は野島伸司さんの作品ですとこれまでどのようなものをご覧になっていましたか?
- 若林 信監督(以下、若林)
- 僕の世代ですとリアルタイムで追っていたのは『薔薇のない花屋』(2008)ですね。
毎週楽しく観ていたので印象深い作品です
- ――
- 本作は野島さんの脚本がありつつも、アニメオリジナル企画ですので制作中に悩まれたことも多かったと思います。自分一人では解決できそうにないことが生じたときには、どのように解決しましたか?
- 若林
- アニメーションプロデューサーの梅原(翔太)さんに相談することが一番多かったです。
やはりこの作品において僕が時間を最も共有しているのは彼ですから。副監督の山﨑(雄太)くんや妻に相談することもありました。他にもキャラクターのことで悩んでるときは、同じ悩みを持ってそうなスタジオの制作スタッフに聞くこともありました。
すぐにその悩みを解決してくれるような答えを求めるというよりも、聞いて「そういう反応になるんだ」とか、「これはあの場面で使えそうだ」とか、リアクションを活かしていった形です。
自分自身の悩みは結局、創作の悩みになってしまうので、そういうふうにして解消していったような気がしますね。むしろ“感情を露出させる現場”をどうやって作れるかが、一つの目標だったかもしれないです。
- ――
- 若林監督のなかにすべての設計図があってそれに向かっていくというよりは、さまざまな課題の根っこの部分を現場の中で探すという作業ですか。
- 若林
- そうですね。だから、最初から今の形になるなんて、まったく思っていませんでした。
このスタッフがあの現場にいて、その人達から聞いたことがこの作品の形となっていったので、また別の人と作ったならば、別の作品になるんじゃないかなと思います。
ある種のライブ感のなかで作り上げていった作品だったと思います。
- ――
- 本編第1回は監督自身が演出・絵コンテを担当されましたが、ここでも悩みましたか?
- 若林
- やっぱり最初ですから、相当悩みましたね。何から始めればいいのかとかいろんなパターンを考えました。
脚本も何回もリライトして、いろんな方法を試してシミュレーションしていきましたし、脚本から絵コンテに描いていく中で取捨選択をすることも多かったです。
監督として達成すべきことと、第1回の演出担当として達成すべきことがそれぞれありまして、本編第1回は演出担当としての達成感の方が大きかったと思います。
通常の各話演出ですと音楽の領域まではあまり携われないのですが、監督として音響監督の藤田(亜紀子)さんともしっかりと話し合って遣り取りができたので、その分、演出としての完成度を高めることができたと思います。
- ――
- 監督が制作中に最後まで悩んだことは何でしたか?
- 若林
- やっぱりお話の最後ですね。これは悩むというよりは、自分があのお話の終わり方を信じられるのかということの方がより重要でした。
実は僕の方で野島さんの脚本から大幅に変えてしまいました。
まずアイがねいるに会いに行くという道筋は一緒です。しかし僕はアイを徹底的に追い込み、別れと後悔をもう一度経験させたかった。
その淵から抜け出すために何が必要で、あの季節はどう役立つのかというのを表現したかったのです。
変えたかったというよりは、そうしなくてはこの作品のラストカットが僕にはどうしても作れなかった。この作品を作る中で、いつの間にか無視できないものが自分の中に育っていたのだと思います。
最後はアイちゃんとして、というよりは自分のことのように考えてしまいましたからね。
キャラクターデザイン/総作画監督・高橋沙妃インタビュー
- ――
- 本作への参加の経緯について教えて下さい
- 高橋沙妃(以下、高橋)
- アニメーションプロデューサーの梅原(翔太)さんから「キャラクターデザインに興味ありませんか?」とお声掛けをいただきました。もともと、この仕事を始める前からずっとキャラクターデザインに興味がありましたので、とても嬉しかったです。
- ――
- キャラクターデザインをする上でのポイントを教えて下さい。
- 高橋
- アイちゃんの場合は表情を豊かに、大げさなくらいしっかりと描くことを意識しました。
当初は彼女のキャラクター性から、暗い表情を描きがちだったのですが、若林監督から「この作品は原作がないオリジナルアニメなので、表情の幅を広めにとっておかないと、他のアニメーターさんが描くときに表情が乏しくなってしまうかもしれない。それを作監修正でコントロールするのは大変だと思う」とアドバイスを頂きました。なので表情集を作った際には、彼女の喜怒哀楽を上限いっぱいまでハッキリと描いて、「アイちゃんを描くときはここまで描いて大丈夫です」と示すようにしました。
他にも、ねいるの秘書の田辺美咲は主人公の中学生たちと大人たちの中間に存在するようなキャラクターなので、アイちゃんたちのように目を大きくしたいという意図があり、監督からは度の強いメガネをかけさせて、大きく見せるのはどうかというアイディアをいただきました。
- ――
- 高橋さんが特にお気に入りのカットを教えて下さい。
- 高橋
- やっぱり第1回の冒頭、最初にアイちゃんが振り向くカットが一番気に入っています。本編で初めてアイちゃんをアップで描いたカットだったので印象深いです。
クラクションで何気なく振り向いた後、ちょっとムスっとする表情変化もアイちゃんらしいなと思います。
- 「特製ブックレットVOL.3」では、さらに深堀りした制作裏話を掲載。
インタビュー全文は是非、Blu-ray&DVD「ワンダーエッグ・プライオリティ 3」【完全生産限定版】にてお楽しみください。